事業再構築補助金の第2回採択結果が、通常枠・卒業枠・グローバルV字回復枠・緊急事態宣言特別枠の4枠について、2021年9月2日に発表されました。
本記事では、事業再構築補助金の第2回採択結果について、応募総数や採択件数などを踏まえて解説していきます。これから事業再構築補助金の申請を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
事業再構築補助金 第2次公募に対しての応募総数と採択結果について
ここでは、第2次公募の応募総数と採択結果について、業種別・都道府県別など様々な角度から解説していきます。
第2次公募の採択率は44.9%
事業再構築補助金のうち、通常枠・卒業枠・グローバルV字回復枠・緊急事態宣言特別枠の4枠の応募総数は20,800件です。そのうち、申請要件を満たす申請件数が18,333件、採択件数が9,336件でした。従って、応募総数に対する採択率は44.9%であることが分かります。
また、第1次公募は、応募総数22,231件、申請件数19,239件、採択件数8,016件という結果で、採択率は41.7%でした。
このことから、第2次公募では採択率が上昇していることが分かります。
業種別の応募件数と採択件数について
応募件数と採択件数を業種別に見ると、宿泊業・飲食サービス業が応募数・採択件数ともにトップでした。次いで、製造業、卸売・小売業となっています。尚、業種分類については日本標準産業分類を参考に当てはめております。
第1次採択結果では、応募数・採択件数ともに製造業がトップでした。
第2次採択結果を見ると、コロナウイルスの影響による経済停滞が、宿泊業・飲食サービス業に深刻な打撃を与えていることが読み取れます。
都道府県別の応募件数と採択件数について
応募件数と採択件数を都道府県別に見ると、応募件数では東京都・大阪府・愛知県・兵庫県の順に応募件数が多かったです。応募割合に着目すると、京都府がトップでした。
また、都道府県別の採択結果では、山梨県・富山県・高知県の順に採択率が高いことが分かります。
その他の分析
ここまで、事業再構築補助金の応募・申請・採択状況について、業種別・都道府県別などの要素に着目して紹介してきました。
そしてここでは、その他の分析として応募金額・採択金額の分布、認定支援機関別の応募・申請・採択状況について紹介していきます。
応募金額・採択金額の分布について(全類型合計)
応募金額・採択金額の分布は、100~1,500万円が最も多く、全体の50%を占めています。第1次公募では、100~1,500万円の採択金額分布は46%であったことから、若干ではあるものの分布割合が増加していることが分かります。
また、応募金額別の件数では、1,000万円以下と6,000万円以上とに二極化していることが読み取れます。これらについては、第1次公募でも同じ傾向でした。
認定支援機関別応募・申請・採択状況について
事業再構築の申請要件には、認定支援機関との事業計画の策定が必須とされています。各認定支援機関の内訳を見ると、金融機関が約7,600社、税理士関係が約5,000社、商工会・商工会議所が約3,100社という結果でした。
不採択から再申請を検討されている方がやるべきこと
第2次公募の採択結果は44.9%であり、半数以上の申請者は不採択となっていることが分かります。
ここでは、申請が不採択となり再申請を検討されている方に向けて、今やるべきことについて紹介します。
不採択理由の確認
まずは、不採択理由について確認しましょう。不採択の要因を把握し、事業計画書を修正することにより、採択される可能性を高めることができます。
不採択の要因には、「自社の強みを活かす計画になっていない」「事業の収益性が明確になっていない」「市場規模・ニーズを分析できていない」「申請要件への不備がある」の4つが特に重要なポイントとなっています。自社の事業計画書と照らし合わせて、これらのポイントについて十分に記載されているか確認しましょう。
支援者を頼る
必要に応じて支援者を頼ることも、採択可能性を高める重要なポイントです。
事業再構築補助金の申請は、認定支援機関との連携による事業計画書の作成が必須です。認定支援機関の中には、補助金申請の専門家も多く存在します。専門家によるサポートサービスを受けることにより、審査項目と加点項目を抑えた実現可能性の高い計画書を、スピード感をもって作成することが可能となります。
また、事業者自身は再構築事業に向けた準備に専念することができるというメリットもあります。
採択された事例を参考にする
他社の取組に学ぶことも重要なポイントです。事業再構築補助金の公募サイトでは、様々な業種の採択事例について紹介されています。同業他社の採択事例を見ることで、自社の再構築事業に足りないポイントや、事業計画書に織り込まれていない記載すべきポイントについて気づくことができる可能性があります。
今後のスケジュール
ここまでで、不採択から再申請を検討されている方がやるべきことについて説明しました。それでは、再申請に向けた今後のスケジュールは、どのようになっているのでしょうか。以下で紹介していきます。
第3次申請のスケジュール
事業再構築補助金の第3次公募スケジュールは以下の通りでした。
採択発表については、令和3年11月下旬を予定しています。
公募開始:令和3年07月30日(金)
申請受付:令和3年08月30日(月)18:00
応募締切:令和3年09月21日(火)18:00
採択発表:令和3年11月下旬予定
第4次以降の公募スケジュールについて
事業再構築補助金の第4次公募スケジュールは以下の通りです。
公募開始:令和3年10月28日(木)
申請受付:令和3年11月17日(水)18:00
応募締切:令和3年12月21日(火)18:00
申請受付から応募締切までは、約1か月ですので、事前に準備をしておきましょう。
第5次公募については令和4年1月中に開始する予定です。
事業再構築補助金は令和4年度も実施される可能性
事業再構築補助金が令和4年度も実施される可能性については、確かなことは分からず不明です。
しかし、経済産業省の発表による「令和4年度経済産業政策の重点、概算要求・税制改正要望について」を参考とすることは可能です。
これによると、令和4年度の中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイントにおいて、事業再構築補助金を引き続き行うと盛り込んであります。
しかし、本年度の事業再構築補助金が決定された時点とは状況が変わっていることから、現時点では不明な点が多いです。
まとめ
本記事では、ものづくり補助金の概要や申請方法について解説しました。
コロナウイルスによる経済停滞は深刻であり、様々な業種において売上・客数の減少といった影響が出ています。
このような状況を打破するための、事業の転換を支援する事業再構築補助金は、大規模補助金として非常に高い注目を集めています。幅広い業種を対象としているため、ぜひ活用を検討したい制度です。
また、事業再構築補助金を申請する際には、専門家サポートの活用をおすすめします。申請サポートを利用することにより、採択される可能性が高まるだけでなく、本業に集中できるといったメリットもあります。
事業再構築補助金の申請をお考えの方は、ぜひ専門家サポートもご検討ください。